いろんなことには波があります。やる気が出るときと出ないときの波は、交互にやってきます。また、それが作成物の出来栄えに大きくかかわってきます。
この波と戦うのがデザイナーであり、作家です。
作家になりたいと希望する生徒さんもいます。大いに結構なことです。ぜひ、大作家さんになってもらいたいものです。
作家になるには、特にこうしなくてはいけないと云うルールはありません。作家になるには『気構え』が大事なんです。
作家にもいろいろあります。代表的な画家から彫刻家、工芸家、小説家……きりがないかもしれません。
でも、共通しているのは、どの作家さんもスランプの波と戦っているということです。
これを越えないと次に進めません。デザイナーも同じです。
スランプの波は、誰にでもやってきます。
それをどう越えるかよりも、そのスランプ期間をどう使うかが意外と大事に思えます。
その使い方がうまくなると、スランプ期間を終えたときに次の一歩の歩幅が大きくなります。
作家になるにはルールは無いと書きましたが、作家で生きていくには、大きな壁がほかの職業よりもたくさんあります。
まず、何の作家になるのか。どんな素材を使うのか、その素材を使って何を表現するのか、その素材を使って表現できるだけの技術があるのか…などなどです。
一番大事なものというのは特にありません。つまり、どれが欠けても出来ないという事です。
作家を目指す人ほど自分自身の精神力の鍛錬ということになります。
何をしたいのかしっかり考え、『その考えがブレない』ということが、大事なことです。
また、「作家になるにはストイックに…」と云うこともよく耳にします。
間違ってはいないでしょうが、私はストイックに暮らすことが大事だとは思いません。
私に言わせれば、『テンション』を落とさないことの方が大事だと思います。
どれだけテンションを上げ続けられるか、テンションが下がったとき、どれだけの短期間でテンションをまた上げられるか、再度上がったテンションは、以前よりも上の位置にいるか…
テンションが下がることは必ずあり、またそれを繰り返します。
そのテンション上下の抑揚と戦い続けることができるかどうか、この決心が『作家になるための最大のルール』ではないでしょうか。
テンションが下がったとき・アイディアが出たとき・何かを依頼されたとき…そんな場面がきたときあきらめずに次へ進むことのできる条件が『技術がある』と云うことです。
そのためには、いろんな訓練をつんでおく必要があります。デッサンでも油絵でも彫刻でも…
その技術の差が、作家として生きていけるかどうかの瀬戸際です。
今が、その訓練期間です。
作家とデザイナーの大きな違いがあります。それは、デザイナーは他人の言うとおりに作ったり、他人が気に入るものを主役として作り続ける職業だということです。
対して、作家は、自分の思うように作ることが最大の主役です。
ここんところは、うらやましい職業です。
ただ、他人がそれにお金を払ってくださるかどうかは、その作品しだいです。やはり、お客さんが気に入るものでないとお金になりません。
その点は、デザイナーとしての感覚も一部勉強しておくことが必要でしょうね。
作家を目指している学生さん、自分との戦いであり、他人の要素や要望を受け入れるだけの柔軟さがないと作家にはなれません。
いまのうちに、技術とその考えを確固たるものにする訓練をつんでくださいね。